教育心理学分野 伊藤大幸研究室

 
お茶の水女子大学生活科学部心理学科准教授 伊藤大幸が運営する研究室です。

広く人の認知・感情の仕組みや発達の過程、またその研究や解析の方法論に関心を持ち、研究を進めています。最近の研究テーマは、①発達過程における情緒・行動問題(不登校、いじめ、非行、自傷行為など)の予防、②発達障害や各種心理特性のアセスメント、③生活困窮者の支援ニーズの把握、④縦断研究のための多変量解析手法など。「誰もが生きやすく、楽しい社会」を志向し、臨床家・実践者との協業により、臨床・教育実践や政策決定に資する科学的エビデンスの構築を目指しています。

 連絡先:ito.hiroyuki@ocha.ac.jp

 

お知らせ1:
「発達心理学研究」32巻2号に掲載された論文「小中学生の自由時間の活動が心理社会的適応に及ぼす影響に関する縦断的検証」が学会賞を受賞することとなりました。小中学生の放課後の過ごし方(学習、読書、外遊び、ゲーム、テレビなど)が、学業成績、友人関係、メンタルヘルスなどの心理社会的適応の変化をどのように説明するかを、大規模縦断データに基づいて検証した論文です。分析結果の中には、通説と一致するものもあれば、反するものもありました。例えば、学習は学業成績だけでなく、情緒・行動面の変化にもポジティブに関連すること、読書は学業成績の向上と関連するが、情緒・行動面の変化にはネガティブに関連すること、外遊びは情緒・行動面の変化に最も強いポジティブな関連があること、反対にゲーム(単独でのプレイ)は情緒・行動面の変化に最も強いネガティブな関連があることなどが示されました。こうした結果は、育児や学校教育のあり方にも重要な示唆を与えるものと考えられます。2023年3月の日本発達心理学会第34回大会(@立命館大学)で受賞講演が行われます。関心がおありの方はご参加ください。

 題目:小中学生の自由時間の活動が心理社会的適応に及ぼす影響に関する縦断的検証(学会賞受賞講演)
 日時:2023/3/5 13:30~14:30(日本発達心理学会第34回大会3日目)

 

お知らせ2:
2023年3月の日本発達心理学会第34回大会(@立命館大学)にて、「発達心理学研究」編集委員会企画として以下のシンポジウムを開催します。2021年に「発達心理学研究」の副編集委員長の大役を預かって以来、会員の声を集めながら本誌の審査・編集方針の改正について検討を続けてきましたが(検討の内容については第32回大会ラウンドテーブルの発表資料をご参照ください)、1年半の検討を経て2022年8月に改正が施行されました。この改正の一環として導入された「実践論文」は、保育・教育、心理臨床、療育・発達支援、高齢者福祉、コンサルテーションなど、多様な領域における実践に関する研究の報告であり、学術的な価値よりも実践的な価値を重視して審査を行うものです。研究と実践の発展に寄与するという本学会の設立以来の使命を達成する上で、両者をつなぐ実践的研究の知見を報告できる場を設けることは重要な意味を持ちます。関心をお持ちの方はぜひご参加ください。

 題目:実践論文がつなぐ研究と実践(「発達心理学研究」編集委員会企画シンポジウム)
 日時:2023/3/5 9:30~11:30(日本発達心理学会第34回大会3日目)
 抄録はこちら

 

お知らせ3:
子どもや発達障害の研究に関わる若手研究者や大学院生を対象とした勉強会を実施しています。
 (1)研究と実践を有機的につなげられる若手研究者の育成
 (2)基礎研究者と応用研究者の対話による新時代の研究のあり方の模索
 (3)(将来的に)大規模共同研究を行うための研究者ネットワークの構築
などを目的として、1~2ヶ月に1回のペースで開催しています。当面は国際誌への論文投稿を視野に入れた研究の進め方を実践的に議論していきます。基礎領域から応用領域まで、広い意味で人の暮らしの向上に貢献する研究がしたいと考える若手研究者の参加を歓迎します。Zoomによるオンライン開催ですので、どこからでもご参加いただけます。

参加希望の方は、主催者である「NPO法人アスペ・エルデの会」のWebページ(若い心理学者・大学院生向けの子どもと発達障害に関する研究の勉強会)より申し込みをお願いいたします。
 アスペ・エルデの会 セミナー申し込みサイト

これまでの回の資料は、以下のページにてご覧いただけます。
 講師からのメッセージ

 

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