東海心理学会第73回大会の研究例会(6/15)にて講演を行います(縦断研究とは何か、なぜ必要か、どのように行うか)

「縦断研究とは何か、なぜ必要か、どのように行うか」

演者:伊藤大幸(お茶の水女子大学)
日時: 2024年6月15日(土)13:00~15:00
開催地・開催方法: Zoomによるオンライン開催
参加者:東海心理学会員、
    学部生、大学院生(いずれも参加費無料)

概要:縦断研究は、対象の経時的な変化の様相と機序を解明するための科学的手法として確立された地位を築いていますが、心理学研究においてどのような強みを持ち、また、どのような限界や陥穽を有するのかについて、必ずしも明確な認識が共有されているとは言えません。本講演では、発表者が関わってきた発達精神病理学の大規模縦断研究を例に取りながら、縦断研究とは何か(What)、なぜ必要なのか(Why)、どのように進めるか(How)について多面的に議論します。縦断研究には、測定方法、測定間隔・期間、要因操作の有無などの点で異なる多様な研究デザインが含まれますが、これらに共通しているのは、同一の対象から複数時点でのデータを収集し、個人内の時系列的な変化や関連に着目した分析を行う点です。こうした特徴を持つ縦断的アプローチが心理学研究において発揮する有効性は、(1)年齢・コホート・時期の効果を分離できること、(2)個人内変動の軌跡とその個人差を定量化できること、(3)因果関係(特に時間的順序性)に関する手がかりを得られることの3点に整理できます。これらの有効性を最大限に発揮するための研究デザインやデータ解析の方法論について論じます。

参加申込方法など詳細は以下のページをご参照ください。

https://psych.educa.nagoya-u.ac.jp/toukaishinri/?page_id=5